THE LAST REMNANT Remastered（ラストレムナント）

「ラスト レムナント」は、2008‐2009年にスクウェア・エニックスから発売された軍勢バトルが魅力の戦略RPGだ。

※画像およびレビュー内容は「ブロードメディア株式会社」で配信されているアプリのものです。2019年12月12日より、スクウェア・エニックスからリマスター版がリリースされました。

物語の舞台はミトラ、ヤーマ、クシティ、ソバニの4種族が存在する異世界。プレイヤーはミトラの青年「ラッシュ」となり、謎の組織に誘拐された妹「イリーナ」を救うべく苦難の旅に出る。

ギルドでユニオンと呼ばれる小隊を複数編成し、豊富なメイン・サブクエストを受けて新たなダンジョンや町の探索しよう。

バトルではユニオンごとに攻撃やアーツ（技）といった行動を選択し、敵と交戦しているユニオンを別のユニオンで補助したり、2対1の状況を作って大ダメージを与えたりとめまぐるしく変わる戦況を見極めて立ち回る。

戦闘に参加したキャラは終了時に一定の確率でステータスがアップし、新たなアーツを習得することもある。

敵を捕獲して分解・売却を行い、素材や資金を得るシステムもあり、それらを利用してユニオンを鍛えつつ遥か古代より存在する謎の物体「レムナント」をめぐる壮大な物語を体感しよう。

プロデューサーやディレクター、コンポーザーに「サガ」シリーズのスタッフを配置しており、キャラクターの育成システムや陣形、技名などにその雰囲気を感じられる。

その中でもバトルシステムは独自性が強く、ユニットではなく小隊ごとに行動を選択するのだが、敵と味方の位置や状態によって戦闘コマンドが変わり、ターンごとに状況を把握して最適な行動をとる戦略性の高いものとなっている。

序盤はこのシステムを理解できずになんとなく進めることになるため、脱落する人も多いだろうなと感じたが、ある程度場数を踏んでユニオンの人数が増えてくれば一気に楽しさが増すような気配がした。

移植元についても初期版ではなく、バトル倍速モードが追加され、ユニオンの制限が解除されたPC版を元にしており、ゲームの中身は2000円でも安いと思える出来だった。

ただ、操作画面がスマホ用に最適化されておらず複数のボタンが表示されてごちゃごちゃしているうえ、メニューやバトル中のコマンド操作と移動操作で使うスティックが違うなど操作感が悪い。

通信料金を考えるとWiFi接続が常に必須であり、通信状況が悪いと画質がかなり乱れるのは気になった。

メイン・サブストーリーは王道的なRPGと同じく、キャラの頭の上に表示されている吹き出しをたよりに様々な人に話しかけて進めていけばいい。

序盤のバトルでは敵のユニオンの数を最初に確認し、本隊よりも弱そうな部隊をひとつずつつ潰していくのがポイントになる。

戦闘後に体力が全回復するシステムのせいか、戦う相手を間違えると通常戦闘でも大ダメージを受けて全滅してしまうため、攻撃やアーツといった行動と同様に相手選びにも注意を払おう。

キャラの育成面では、自由にユニオンが組めるようになるところまでメインストーリーを進め、編成したユニオンより少し強いくらいの敵が出現するダンジョンで戦い、ステータスアップや新たなアーツの習得を狙うといい（このあたりはサガシリーズと同じ）。